表現者の熱量がつくりだす「場」
の続き。
東京にもどってきて、落胆するかと思ったのだけれど、実際は、それを通り越していた。
大自然、地方から羽田に帰ってきた時の絶望感はいつも過酷だ。視界すべてが緑からコンクリートに変わる瞬間。胸がぞわぞわする。これが動物がいきる空間ではないはずだ、と。
しかし、そこから表参道に立ち寄ると、そのなんにも変わらない風景にもまた驚く。休日、週末、消費、飲食。そんだけ、そこで扱われるものが目まぐるしく変わっていく、でもやっていることは変わらない、変わった風にみせているだけなのだから。
なーるほど、自分が変わったのか。そんな客観的に見れるように。南無。
それぞれが感じる「魂」
と、隠岐島で演奏を拝見した山本久土さんのライブを見に、所沢へ。
今回はそのご近所の田島ふみえさん(街の写真館東村山)と、音楽家でうちのスタッフの牧野、同じくスタッフの岩本とともに。自分にとっては、全くキャリアの異なる3人が、自分が感じた「魂」を感じることができるのだろうか?というのがテーマ。
雨のなか、所沢、、、、まで、、、、向かう、、、、。東京は広いなぁ〜なんて。演奏は隠岐島よりも環境が劇的に良くなり、改善、というかハイファイになって、見えなくてよかったものが見えてきてしまう感じはあったけれど、その分演奏や歌唱力のシビアさ、そして表現の繊細さが可視化され、荒々しさから一変。より細い崖の上でのギリギリ感であったことを知ることになる。
僕は、山本さんから、撮影者の場の作り方を再確認する。演奏が人を熱くさせる。言葉でも値段でもない。人間から出てくる熱量。それが周りを熱くするそして一つにする。撮影者はそういう熱量を生まなければいけない。なぜなら?撮影させていただいている身だからだ。被写体がいなければ撮影することはできない。
撮影者が渦のきっかけにならなければいけない。
と、言葉で聞いても理解できないだろう。だからそういう時は山本さんの演奏を聴いてほしい。できれば、ソロのライブ。なんど聞いても、きっと刺さる、この熱量と生き様。
スタジオミュージシャンとしての長いキャリアは堅実な演奏をうむ、表現力を支える。しかし、その上に宿る魂は、それをぶるんぶるんと振り回して、壊していく、その美しさよ。
余談ですが、今回の対バンだった、MO'SOME TONEBENDERの百々和宏さんは、過去に2度、、、いや3度だったかも、、、、撮影させていただいたことがあったのですが、僕が敬愛する井上拓さんのゲーム「塊魂」のエンディング曲は一人で生きてきた私にとっては、、、、何度聞いてもグっときます。生きてるんじゃない、生かされている。みなさまもぜひに。
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(文・写真:鈴木心、編集:山田友佳里)