家族にしか撮れない写真のために。
鈴木心写真館はこれまで49,000名のお客様を撮らせていただいてきましたが、どうしても撮れない写真があります。
それは、日常の何気ない瞬間の写真。いつもそばにいる家族だからこそ見つけられる一瞬をご自身でものこしていただけるよう、鈴木心写真学校として撮影テクニックのワークショップを3ヶ月ごとに開催しています。
写真館のお客様であり、写真学校にもご参加くださっている荒川博行( @hiroyuki_arakawa.photo )さんが、ワークショップを受講されての想いをつづってくださいました。
現在、超写うま 3期を受講しております、荒川です。
実は、初期の(写真道場)オンラインサロンに参加させていただいておりました。当時妻と母が入院し、一気に家族が欠けてしまうなか、幼いながらも毎日不安でしょうがない息子にできるだけ寄り添っていたいと思い、一度サロンを抜けることにしました。
幸い2人とも今では元のように奇跡的に日常生活ができるようになり、妻の勧めもあって再度参加させていただく決意をしました。
久しぶりに戻ってきたオンラインサロンは当時とは全く異なっており、とても活発な印象。自分の写真の幅を広げたい、そして、当時から参加してみたいと思っていた心さんのワークショップを受けることにしたのです。
家族が増えると、写真が増える。
写真を始めたきっかけは、息子が産まれたことでした。
写真はケータイ以外使ったことがなく、写真や機材の知識もなかったので、YouTubeや本、SNSに頼り独学で学んできました。ですが、なかなか自分の写真に満足することができず、プロとアマチュアの差は一体なんなのだろう・・・・と疑問に持ち、質はどのように築いていけば良いのだろうと悩んでいました。
写真での目標の一つは、「息子が結婚し自分の道を切り開いていくときに、父親として撮影してきた写真が何かしらの役に立つこと」。そんな意味で、写真の基礎を知らない自分にとって、これから撮影していく基盤を作れるのではないかと思い参加しました。
「伝わる写真は良い写真」
ワークショップが始まったばかりの頃にいただいた、大好きな言葉です。今までの自分の写真はちゃんと伝わっていたのかな、と振り返るきっかけに。
課題を進めていくうち撮影の基盤が見えてきて、写真の撮り方が変化しはじめました。同時にたくさんの良質な写真集に触れ、確実に撮影のヒントを得ることもできました。
写真集を見て、実際に模写をしていく段階へと進み、なんとなくですが、作家さんの写真撮影の技法が体感できました。光と影のトレーニングでは、今までの授業で学んだこと、自分らしさを融合させて、今まで以上に伸びを実感できたと思います。
自分の中では「感動の細分化」「素数」というキーワードが大きく、感動の一点にまるでスポットライトが当たっているかのように光と影の演出が入る。そのポイントを探すのが宝探しのようで楽しかったし、とても良いトレーニングになりました。
「カメラは光をとらえる装置」。たしか、最初にワークショップに参加したときに心さんから教えていただいたと思います。ということは、「感動の瞬間」→「感動の細分化」→「光」→「影」という思考で撮影すればより伝わる写真が撮れるのでは、と意識し、思考にも変化がありました。
家族のために、自分らしい贈り物を。
「写真集を1冊つくる」という修了制作では、ワークショップに入る前から「息子の今」を写真集にし、「未来の息子に伝える」というコンセプトを決めていました。
最終的に新津保建秀さんの「夏」という写真集を参考に制作を進めました。写真集の中のモデルさんが書かれた本も読み、改めて写真集を読んでいくうちに、自分もこんなふうに息子を撮影していきたいと感じたのが理由です。
これから息子が成長していく中で、今という尊い時間を詰めるという想いで、タイトルを「Capsule Eight」としました。Capsuleはタイムカプセル。今を詰める、そして今回自分にとっても意味のある「8」という数字。息子が8歳。そして写うまベーシックも8期という事でEightとしました。息子を撮影していく中で、家族との関わり方も変わってきて、より関係性が良くなりました。
写真と生きていく。
息子の好きな部分も含め、彼との関わりもより深くなったと思います。ちょうど修了制作中に息子と男2人で旅をし、その時撮影した写真も使いました。写真集の中でのパーツを想像しながらの撮影は、何気なく撮影していた3ヶ月前の自分とは全然変わっていました。
Photobackで注文し、妻・息子にプレゼントをし、自分の中での「最終考査」を家族にしてもらいました。妻は「今までの写真もとても尊いけれど、この写真集は息子の喜怒哀楽が詰まっていて、息子らしい」とコメントをもらいました。息子も写真集を気に入ってくれて、友達にも、知り合いにも見せてくれております。自分の写真で誰かを幸せにする体験ができ、とても嬉しかったです。
学んだことを基礎に、撮影テクニック・思考・写真集から学ぶことで、これからも家族の記録を残していこうと思います。そして、写真を撮る楽しみ、見せる楽しみをライフワークに今後進化させられたら最高だと思っています。スタート地点が分かったいま、これからの写真ライフがより楽しみです。
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(編集:山田友佳里)