あなたが考える「良い写真」とはなんですか?
鈴木心写真学校のnoteでたびたび出てくる、「伝わる写真」というフレーズ。
「鈴木心の写真がうまくなっちゃうワークショップ|ベーシック」を受講された市川美幸さん(@miyuki_ichikawa_)が、写真での想いの伝え方を真剣に考えた過程をレポートしてくださいました。
撮影技術の前にあるもの。
鈴木心写真学校を見つけたときから、ここで写真を学びたいと思ってました。もともとは写真館のワークショップを受講をしようしていましたが、 写真集を読んだことも作ったこともなかったので写うまベーシックも魅力的で、どちらを受講するべきか迷い始めたのは開講2週間前。
考えた末に撮影技術以前のこと、眼のしくみや被写体との向き合い方をまず学んだほうがいいのではと思い、2日前に滑り込み。そこには素晴らしい仲間が待っていました。
眼と、心の解像度
課題は、主題となる被写体の水平・垂直・正面をとる基礎トレーニングからスタート。目から鱗でとても鍛えられました。 見せたい一点を明確にし、「目の解像度」が増すと、心が「わっ」となる「トキメキの解像度」も比例して大きくなることが分かり、日に日に見せたい一点が増えていきました。
距離や絞り、シャッタースピードの違いで写真のストーリーの広がりは無限大になることも知り、撮影時の選択の幅がぐんと広がりました。 受講前の私の写真は明るめ、開放ぎみの写真が多かったのですが、絞った写真もいいなと思えるようになりました。それは修了制作での表現にも繋がっていきました。
写真は見てもらうことで広がる
以前からタイトルを付けることがとても苦手でした。 見たまんま、ありがち、捻ろうとすればするほど的外れなタイトルになったりと散々。
相手の想像を広げるということを意識するとタイトルを考えるのが楽しくなり、写真に命を吹き込むような、お礼の一文のような、見てくださる方に楽しんでほしいという気持ちを大切にするようになりました。
なぜライアン・マッギンレー?
もともとは、新津保健秀さんを参考にして作品をつくろうと思っていたのですが、心さんが薦めてくださったのがきっかけで、アーティストのライアン・マッギンレーさんを参考にすることに。
今まで私が触れてこなかったヌードを撮る作家だったので、衝撃が大きく自分にできるのか不安でした。お告げをもらった後は酷い顔をしていて半分泣いてたと同期から聞いています。
だけどせっかく作品作りに挑戦するなら、今までの自分と真逆の作家をやりたい。挑戦することで新しい自分を見つけたい、と思っていたので決意を固めました。
なぜヌードで撮影するのかを深掘りしライアンさんの幼少期の人物像や性格を自分自身の過去と重ね合わせたりしました。
ライアンさんとモデルのような関係作りをベースにしながら、エネルギー、冒険心、解放感、反骨精神、躍動感、雄大で色鮮やかな自然で溢れた世界、などなど、たくさんのキーワードを盛り込みました。
伝えるために、真似することとしないこと
ライアンが、私の住む田舎町で小6の女の子を撮ったら?
大自然の中で自分と向き合い葛藤し、自分にとっての自由とは何かを見つけていく子どもたちの様子を描きました。
模写(作品とそっくりな写真を撮ること)の段階で服の有無による違和感があり、上手く参考にできるだろうかと葛藤しました。
小6の女の子は今何に夢中になってどんな悩みがあるのだろう。もし一日何をしてもいい自由な時間があったら何をするか。撮影前に5人の子供たち一人一人と向き合い話す時間を作りました。
話したことで、この子たちにとっての解放感=服を脱ぐこと=自由になれるというわけではないと思うようになりました。
ライアンの写真は人の素の表情や少し変な仕草の瞬間が多く、カメラを向けたら笑顔でピースしてくれるような女の子に対して、いかにカメラを忘れるほど夢中になって自由な気持ちになってもらえるかが大事でした。そんな気持ちや表情、行動に繋がる声かけ、思春期の女の子との接し方、環境作り、ふとした一瞬を見逃さないように気をつけました。
川に入るのも崖を登るのも草むらに寝転がるのも、私も一緒になって同じことをしました。狙ったのはシリアスな表情でしたが楽しさを忘れず撮影したので笑い声多めの現場に。女の子の親御さん、場所を貸してくださった農家の方々、たくさんの方が協力してくださり作品をつくることができました。感謝してもしきれない!
「写真体験」が作品になる
子どもたちにとって撮影体験が楽しいと思えるものになること。将来見返す時、あの日あの瞬間だからできた、夢中になった自分の姿や仕草に誇りを持ってもらえるようなものを目指しました。
私自身今回の撮影を通して過去の自分を越えていくことにも繋がりました。そんな子どもたちと一緒になって作った作品はこちらです。
伝えるための写真の撮り方をお教しえます
あなたらしく撮って、人に伝わる写真の技術と心をお伝えしています。
「写うま」をおためしできます!
鈴木心写真館の全国ツアーとともに、鈴木心のやさしい写真教室を各地で開催しています。
「インスタの写真をもっとうまく撮りたい」という動機の方も多数。写真の手応えをつかむには、たった2時間、スマホがあればOK。終了後は眼と心が変わっていて、目の前の景色を見るのが何倍も楽しくなっています。
鈴木心のなんでも写真相談タイムもございますので、ぜひお話ししながら写真を撮りましょう!
本記事は、鈴木心写真学校のオンラインサロンに掲載しているコラムを一部転載しています。
(編集・高橋慈郎、山田友佳里)