バイクで出会う光景、写真で刻む記憶
先日に引き続き、バイクの話。
先日実家に戻りつつ、回収したうちのバイク。ついにその修理が完成し、引き取りに行ってきた。
受け渡しを終え、一通り説明を聞き、さーて、東京まで帰るぞ〜(千葉の成田の方)とバイクを跨いでアクセルをぐいっと。あまりにバイクが滑らかに滑り出すものだから、すこし焦りつつも、記憶も滑らかに、溢れ出てきた。
バイクに初めて乗ったのは大学1年の冬だったろうか。同級生のバイクにいつも乗っていて、大学内でゆずれる先輩がいて、そのバイクに乗りながら、教習にかよった。スズキのカタナ400S。本当にデザインが美しかった。
初めてのバイクと学生時代の思い出
しかし、撮影地に向かうまでにヘトヘト、、、。になってしまうことでヤフオクで購入したフュージョンSEは中身と外見が違う、、、とのことで、返品し、もう新品買うしか! と思った大学4年生、当時一瞬だけ発売された限定モデル、フュージョンXXを早稲田のバイク屋で生まれて初めてローンで買った。ああ、これが本当に初めての笑。
そのバイクは壊れることもなく10年以上乗り続けて、そろそろお年かなぁと全く同じ、走行が全くない子をみつけて交代した。が、その頃には免許が1点しかなく、1年3ヶ月、まったく乗らない!
アンチ運転キャンペーンを貼っていたので、バイクは京都で購入後、福島のホンダへ移送されメンテナンスを行い、かれこれ、6年くらい幽閉していたことで、今回の再度メンテナンスということになったのである。
バイクの幽閉と再メンテナンス
その間、BMWの電気バイクにのっていた時期もあったが、実にバイクの運転は、3、4年ぶり。フュージョンに関しては、6、7年くらいのブランクがあったのではないかと思う。
うちの父は面白い人で、事故にあうから人の運転する車には乗るな、と言う。かといって、自分で運転もするな、と言う、となると、一体どの車に、交通機関に乗ることができるんだ、と微笑みつつもガン無視で、バイクに乗っていたことを実は知っていて、見守っていてくれていたというのは大学卒業後に母から聞いた話。基本的に自分のお金であれば、自分の責任で行え、という頼もしい両親たちでもある。
さて、そんなこんなで1時間の運転をして東京に戻る中で、運転するときの所作や、体の重心配置など、いろんなことを無意識にする自分自身に、歴史を感じ、風の音、風圧に、思い出が蘇り、あの場所もこの写真もぜーんぶ、このバイクで撮りにいったじゃないか、と記憶と思い出がぶわぁ〜っと溢れてきた。
記憶は走る、未来に向かって
おじさんたちがビートルズをずーっと聞いているように、僕たちもきっとこんな故郷が行き止まりになるんだと、改めて思う。幼少の記憶。幼少の衝撃、僕たちの今は、その上にしかない、だからこうやって地層を潜っていくと、自分自身の源流に辿り着くことができる。
すこぶる調子が良い個体です。とはメンテンナンスの談。運転してみて、確かに新車みたいな挙動だなぁなんてメーターをみるとわずか1万キロしかはしっていない個体。そうか、だから、わざわざ京都まで行って即買いしたんだなぁ〜って当時はたしか20万円くらいだったはず。
人生折り返し地点?だから、今新たに自分が影響をうけたものと対話して、折り返すんじゃなくって、もっと前に進んでいきたい。新しい旅を、共に旧知のフュージョンと、共に。
(写真・文:鈴木心)
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(編集:山田友佳里)