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【ライカを再現】 リコーGR3でライカMの写りを超える方法

ポケットサイズの小ささがもたらす圧倒的な利便性

再びニューヨークからお届けしています。今回は X100VGR3 を両方持参して撮影しているのですが、結局使っているのは GR3 だけです。その大きな理由は ポケットに入るコンパクトさ。スマートフォンよりも小さいので、日常的に携帯しやすいのが魅力です。ボディデザインについては以前のにも触れたので、今回は省略します。

今回のテーマは GR3の写りです。以前、スマホと比較した際、iPhoneでいいのでは?と思ったこともありました。当時はノイズの多さを指摘するコメントをいただきましたが、最近は RAW現像の進化が理由で印象が変わりました。たとえば普通の風景を撮影した場合、RAWのデータを加工することでフィルム風の色味を簡単に再現できます。

GR3は「カメラ」というより、目の前の風景を 素早く、高品質な素材として記録するツール という感覚です。今のスタイルに非常に合っていると感じています。

GR3とライカMの違い

デジタルカメラの色味の基準として、ライカM9とアポズミクロン35mmレンズで撮影した写真が好みではあります。その組み合わせは、コダックらしい色味とライカらしい描写が融合した美しさがあります。しかし、ライカでは撮りたい瞬間にシャッターが間に合わないこともあります。その点、GR3は小型かつスピーディーで、取り逃しが少ないのが強みです。

GR3のRAWデータは、ノイズを抑えつつ自然な色味を引き出す加工が可能です。具体的には以下の手順を用います:

  1. ハイライトを抑える

  2. コントラストを立てる

  3. 色の調整(青の彩度や明るさを抑えるなど)

これにより、写真全体が引き締まり、深みのある仕上がりになります。

GR3のディティールとシャープネス

GR3の2000万画素センサーは解像度が高く、シャープネスをかけなくても十分なディティールを再現できます。ただし、シャープネスをかけすぎると不自然になるため、撮影時は フラットな設定 にしておくのが理想的です。これにより、レンズ本来の性能を活かした描写が可能になります。

また、色補正を行う際、部分的なマスクが自動的に適用されることがありますが、色がぶつかる境目でにじみが発生することがあるため、極端な補正は避けるようにしています。

GR3のレタッチと作例

たとえば夜間撮影では、ISO感度160、シャッタースピード1/30秒でも鮮明な写真が撮れます。このデータをさらにハイライトやシャドウを調整すると、細かなディティールが際立ちます。RAWデータにはシャドウ耐性があるため、暗部の情報を引き出すことも可能です。

また、GR3はコンパクトなレンズのため歪みが出やすいのですが、DxOのPureRAWで簡単に補正できます。補正後の写真は、28mmの広角感を保ちながらも精度の高い直線を表現できます。

GR3の位置づけ

GR3は、写真を撮影する「カメラ」というより、 スマホ感覚で状況を記録するツール として優れています。JPEG撮影ではなくRAW現像を活用することで、その小ささからは想像できないほどの表現力を発揮します。一方で、ライカのようなクラシックな描写や高解像度が必要な場面では、X100Vを使い分けるのが理想的だと感じます。

結論として、GR3は スナップショットを高品質な作品へと昇華させるポテンシャル を持ったカメラです。その手軽さと表現力は、現代の撮影スタイルに非常にマッチしています。

(写真と文:鈴木心)


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(編集:しまづこうたろう)



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