これが作品制作というやつです。
星のような雪を写真を撮影したい、というのはずーっと願っていた、妄想の一つ。
とうとうその日がやってきた。
その前に、雪の中で火が燃えている写真も撮りたかったので、それも抱き合わせ。
これが、作品 制作 というやつです
お客様がいるものは、仕事
自分がお客になるのが、作品
僕はずっと写真が作品だと思って生きてきました、大学時代。
しかしそれが仕事になるんだと、技術を学びました、アシスタント時代。
そして世界と歴史を知りました、フォトグラファー時代。
仕事と私事を分けるのは、僕にとっては難しかった。待てないから、仕事終わるまで。だったら好きなことを仕事にするしかなかった。そして誰かに雇われるのも嫌だった。野良犬みたい、自分のペースで、自分の責任で自分で生きていく。だったら後悔しないから。
だから、後悔したくないから、一人で行こうと思っていた、、、、んだけど、牧野さんがご一緒に。
今回はタフな現場になる、雨具すら持っていないのに。
できるかどうかではなく、やるかどうか
現場では猛吹雪に打たれ、予想通り激しい現場だった。でも激しいから何?と。妄想を実現するには、今しかない。激しいからこそ撮れる写真があるかもしれない。
フィルムの時代は、水が大敵だった。でもいまは、防水防埃があたりまえ。高価なカメラであればあるほど、その精度は高い。つまりカメラも問題ない、ということは、怯んでいるのは自分の意識のみということになる。
だからレンズを拭いてカメラを向ける。ファインダーから何も見えてなくても(これはあとでエディットして見えるようにするちょっとしたテクがある)。
想像して、創造する
火は終わったが、ライトを立てるには、激しすぎる。でも照明なんていくらもである。コンテナプールに聳(そび)え立つ巨大な照明は、持っていった照明よりもはるかに巨大だった。太陽を眺めるように、駐車場をグルグルまわりアングルを決める。
そしてシャッターを切る。1000分の1秒。まるで宇宙を高速ワープしているかのような錯覚を感じる、目の前の風景が静止し、静かな宇宙が写った。
そして僕の妄想が一つ実現したことを確信する。そしてその精度を現場で一気にあげていく。絞りは?ノイズは?スピードは、画角は?テザーして、パソコンでパラメーターも当てはめてみる。
これ以上はない。という組み合わせをしてみて、ふっと現実に帰ってくる。ずっと夢想していた世界に写真を撮りにいき、戻ってくる。
昨日の夜の雪景色も、ずっと暖めていた妄想も、朝起きると溶けてなくなっていた。今日も急とて、また次の妄想を実現するべく、一歩を踏み出す。
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(写真・文:鈴木心、編集:山田友佳里)