見出し画像

心をつなぐ写真の力。誰もが安心できる撮影を目指して

親御さんにとって、写真はただの記録ではなく、成長や想いを刻む大切な証。だけど撮影で無理をさせずに、ありのままをのこしておきたい。お客さまらしさも、ご要望もそれぞれだからこそ、依頼をされた撮影者はそのなかでのベストを模索します。

鈴木心写真学校オンラインサロンでは、フォトグラファー同士の相談コミュニティも育まれており、お互いの経験を持ち寄ってお客さまのためにできることを考えてみなさん撮影にのぞまれています。

今回の相談者はもりおか写真館のフォトグラファー、伊藤亜寿香さん。

中央左:伊藤亜寿香さん

証明用だけど、大切な写真だから

先日開催したプロフィール撮影会で、疑問に思ったことがあります。それは、ダウン症のお子さまのマイナンバー用写真撮影について。

他の写真館での撮影は断られたため、当館のイベントに申し込んでくださったそう。特徴の一つである筋肉の緊張が弱いことから、座った姿勢を保つのが難しい点が原因のようです。他併発している障がいの影響も考えられます。ダウン症に限らず同じ内容で撮影を断られているご家庭もあるのかな、と思いました。

確かに、一定時間姿勢を保つことが難しく、首を支える力も弱いため顎も上がりがちに。証明用なのでお顔を正面で撮影することが必須になりますが、この体勢が苦しい様子でした。何かにつかまっていると短い間であれば、姿勢を保てるようなので、棚につかまっていただきながら撮影しました。

動きに合わせてライトも動かしたい、、。お顔の向きに合わせて私自身が動けば良かったなぁ、、と後に反省。
笑いすぎていない多少の笑顔であればOKなこともあるようですが、何かお子さまが負担を感じずに撮影できる方法がありましたら教えていただけないでしょうか?

地域によっては、成績・検診内容をマイナンバーと紐付けしている場所もあるとのこと。2024年秋以降は申請時1歳未満の場合、顔写真が不要となります。と、いうことはそれ以降は顔写真必須。
マイナンバー用の写真撮影会を開催したら需要ってあるのかな? と思ったりもしました。

撮影の自由度を高めるライティングで

ダウン症のお子さんは特性としてじっとしておくのが苦手な子が多いので、ソフトボックスの一灯ライティングよりも、バウンスで空間全体に光を回してあげるとその子のペースで一緒に動いたり自由に撮影できるんじゃないかなと思ったりしています。
 
マイナンバー用の撮影は、ぼくも高齢者さんなどに需要が高かったので、イベント撮影にもスチレンボード(白背景)を持って行くようになりました!

のんびり写真館(大阪)水本光さん

専用の椅子をお持ちいただく

とっても素敵に撮れていて感動しました!
親御さんの気持ちを考えると泣けてきます。しかも他の写真館で断られて、再度申し込むことにどれだけ勇気が必要だったことか。
本当にありがとう、と私から声を大にして言いたい!!!笑
お疲れ様でした。

マイナンバー用の写真、難しいですね。
ダウン症といっても症状はさまざまですが、今回のお子さんはかなり緊張が弱いお子さんだったんですね。「低緊張」という症状で、我が子もそのタイプです。

低緊張などで姿勢が保ちにくいお子さんは、ご家庭で座位保持椅子を使っていることが多いです。
理学療法士さんと一緒にその子に合わせた椅子を作るので、座ると姿勢がだいぶ保ちやすくなります。それを持参していただくと、ぐっと撮影がしやすくなると思います。

電車だと難しいかもしれませんが、お車でしたら「座位保持椅子がご自宅にあるか、またそれを持ってきていただくことは可能か」を、撮影前に伺ってみても良いかもしれません。
私も、よくご家族と相談しながら、いろいろとご持参いただきます!

以前、重度の知的障害のお子さんのパスポート用の写真を依頼されたのですが、パスポート用写真はかなりシビアで苦戦しました(真正面で、歯が少しでも見えていたらNG)。

ご自宅への出張だったので、以下のように撮影しました。
・窓際のソファに座ってもらい、レース越しの自然光で撮影
・三脚は使用せず、顔の動きに合わせてこちらが動く
・お母さんに全面協力してもらいながら、ひたすら正面を向いてくれるのを待つ持久戦

ストロボは使用しておらず、あまり参考にならなくてすいません!
盛岡で、障害があっても安心して撮影できる写真館、心から応援しています!

&しゃしんかん(神奈川) 中祖直子さん

事前の対話を入念に

僕から見た・感じた・障がいの方を見てきてる経験を踏まえてお伝えさせていただきます。

今回は来訪されたダウン症の方で、低緊張、姿勢が保つことが難しく、顎が上がりやすいとおっしゃったお子さま。

私の見解は、正直、お子さまと対面しないとわからないです。
座れない、顎が上がってしまうといった障害の特性があると思うのですがその方によってどれくらいなのか人それぞれ。どれくらいを座れなくて困難なのか、どれくらい顎が上がってしまうのか、いろんな状況が起こると思います。

座りでいうと、僕の勤める施設のご利用者さんは全く座れず、ベッド生活の方が多数。写真を見る限り、僕は座れていると感じちゃいます。全く座れない人を見てきてるので、一定時間だけでも座れていると思うのですが……。

他にも起こりうる状況はあると思うので、事前にご家族さんとご相談してどんな撮影スタイルが良いのか、どんな状況が想定されるのかによって、判断するのが良いのかなと思います。

バウンスも、座位保持も選択肢の一つ。その他にも選択肢がないの広げていきたいですね。

僕だったら、ご家族さんがびっくりされる、楽しんでもらえる写真体験を提案したいと思います!

しあわせ写真館(愛知)石田彰悟さん

(お客さまの写真・本文:伊藤亜寿香)

こちらの記事もおすすめです。


たった一つの正解はない、お客様と真摯に向き合うだけ。

まずはお客様とお話しさせていただく。
良い写真のためのコミュニケーションは、撮影の前から始まっています。

いろんな方がいらっしゃるからこそ、その方らしい写真を撮らせていただける。その気持ちを胸に、鈴木心写真館もサロン内の写真館コミュニティに学ばせていただきながら、お客様と向き合っています。

撮らせていただける方がいるから、写真館ができる。その感謝の気持ちをもって、写真で人の役に立ちたい人を鈴木心写真学校では応援しています。

ライティングを始めたい方も、極めたい方も。

写真表現の深さを知り、幅を広げたいなら

オンラインサロンのみの参加も大歓迎です!

無料開催!カメラの使い方相談室

1/5(日)は「無料!鈴木心のなんでも写真相談室 カメラの使い方」を開催。「このカメラ、もっと上手に使いこなしたい!」そんなあなたのお悩みや疑問に、写真家・鈴木心が全力でお答えします。

カメラの基本操作から一歩先を行く撮影テクニック、シーンに応じた設定の考え方や使い方の裏技まで。プロの視点で徹底解説する、無料&たっぷり2時間のオフラインイベントです。

無料!鈴木心のなんでも写真相談室|カメラの使い方

日時:2025年1月5日(日)16:00〜18:00
会場:鈴木心写真館 世田谷・松陰神社前
定員:先着15名
料金:11,000円 → 期間限定0円!
持ち物:ご相談にあたって必要なもの

詳細・お申込みはこちらから(LINEが起動します)

(編集:山田友佳里)


いいなと思ったら応援しよう!