プロの撮影からレタッチ、その全て。鈴木心の写真道場 #11 レポート
鈴木心の写真道場、今回で11回目!
毎回ちょっとずつ進化しているんです。今回は、撮影からレタッチまでの全ての工程をお披露目いたしました。出だしから、堅苦しい講義・・・なんてつまらない。まずは、実際の流れをみなさまに体感して見て欲しい!との鈴木の希望で、、、
開始早々、プレイボール!
お席を詰めていただいて、急遽撮影スペース確保。
はい、撮られたい人〜!
はい、クラッカー持ってください〜。
と、どんどん役割分担。
そうです、鈴木お得意の巻き込み型撮影です。
写真はライブだ。
言われるがままにお手伝いしてくださるご来場のみなさま。そして、何が始まるのか・・・と固唾を吞むお客様。実は、スタッフも何が起こるのかとドキドキ。もちろん、打ち合わせはしますが撮影に関してはその時の直感と、雰囲気と被写体によって、「どこで、どのように撮る」かを決めるのが鈴木スタイル。だからいつもドタバタのライブ感なんです。スタッフも鍛えられます。
今回は1枚の写真で完結する撮影方法ではなく、複数の写真の良いところを掛け合わせて、1枚の写真に作り上げていく。人物・光・クラッカーなどのそれぞれの条件がいい瞬間を撮っていきます。ここで大事なポイントは、カメラ位置・アングルは同じポジションで全て撮ること。少しでもずれると、この後の作業が大変になってしまいますので要注意です。
バトンタッチ!
鈴木が撮影した写真を現像したら・・・今回のゲスト、レタッチャー歴15年の大井一葉さんにバトンタッチ。複数の写真をどんどん重ねていく。もーどんどん進んでいく・・・大井さんの作業スピードの速さは、もう・・・あっという間。
広告撮影現場、そのもの。
実際の広告撮影では、このように撮影と仮のレタッチ・合成作業を現場で行い、クライアントさまや事務所関係者、広告代理店さまなどにお見せし確認していきます。細かい調整は後日行いますが、現場でほとんどの絵は決まっていきます。
カメラマン、レタッチャー、時にはデザイナーさんへとバトンを渡していき、一つの作品を作り上げる。そして、それを広告代理店さまやクライアントさまの手に渡り、みなさまの目に触れる。まさに、写真が旅をしていくようなイメージです。
RAWデータという名の、我が子を旅に出すための・・・
このような撮影において、多くの人が関わるからこそ、それぞれの作業を円滑に進めるための思いやり?!暗黙のルールがいくつかあります。先ほどの実践の流れから、鈴木と大井さんで細かく解説していきます。
機材選び・・・
RAW画像、
JPEG画像の違い・・・
合成する際の注意点・・・
そしてあの広告の裏のお話なども飛び交います。大きな現場やお仕事を今まで沢山やってきたお二人だからこそ出てくる、リアルなトーク。「カメラマンだけではない、レタッチャーあっての作品となる。時には助けてもらうこともある!」と。我が子を共に育てていくような感覚でしょうか。それぞれの役割を理解し想像する、その上で自分の役割範囲内でいくつもの最善な選択をし、撮影をする。思いやりのクリエイションだと思います。
後半戦は、お待ちかねレタッチ道場!
道場破り常連の田村恭一さんをお招きし、クライアントとして写真ご提供者からの要望を聞き、Capture Oneを使ってレタッチ・調整していきます。
同じ写真をどのように味付けしていくのかは、そのカメラマンの想像力と引き出しによって大きく左右されます。
左:鈴木心選手 VS 右:田村恭一選手
戦争映画感とインスタ映え、というお題に、トリミングやモノクロ映画っぽい演出という解釈が分かれた一回戦目。
二回戦、自然な雰囲気、がテーマの記念写真。見た目の自然さか、印象の自然さかが論点になりました。
三回戦目、鮮やかに。鈴木はトリミングし、背景をシンプルにすることで鮮やかさに目がいく様に。
最終ラウンド、印象を変える。色温度を反転させて、青だったものを黄色味を帯させました。一方で田村選手はドっと濃い青へ。
ゲーム感覚の対決だからこそ。
写真に勝敗はありません。結果が、次へのステップになる。緊張と悔しさ、嬉しさが入り混じる道場だからこその体験が出来ます。「もし自分だったら・・・どうするか?」と擬似体感していただくことも。技術的な面も、発想力も人のやり方を見れるという機会は、あるようでなかなか無い!もう、今回は全て聴き放題。
最後には3つのミニワークショップ。
個別の質疑応答時間もあり、レタッチ・現像・撮影とそれぞれ興味があることをじっくり聞く時間もご用意しました。技術面も人生相談も?!笑 もっと時間があれば、聞きたいことあった方々も沢山いらっしゃいましたね。すみません。次回へのお楽しみ・・・ということで!
写真道場は、何でもあり。何でも見せます。何でも体験出来ます。
あとは、それを自身で生かすかどうか・・・いつでも私たちはオープンです。そんなイベントを続けていくことで、みなさんにとって楽しい場としてあり続けたいと思っています。
開催にあたっての鈴木のレタッチQ&Aはこちらより!
これからもアップデートされていく写真道場。ぜひ、次回もご参加ください!
(写真:中山優瞳 文章:さいとう さおり)