山本舞香写真集「サニー/ムーン」の秘密。沖縄編
山本舞香さんの初めての写真集の撮影を担当させていただきました。山本さんは、電通の社内報「電通人」の撮影から数年後、JR SKISKIでご一緒し、そのご縁から今回の写真集の撮影の依頼をいただきました。ロケ地の選定からくらい撮影内容が柔らかい段階からの参加だったので、真夏の沖縄、真冬の鳥取(山本さんの出生地)を提案し、20歳になる前後2回に分けての撮影となりました。今回はその沖縄編の解説をしたいと思います。
「山本舞香の素顔をみせたい!」というのが編集の鏡さんからの唯一の要望でした。人物撮影でもっとも重要なのはロケーションです。が、本件では沖縄が目立つ必要はなく、山本さんが素で楽しめる場所としての沖縄という選び方だったので多少以上に予算オーバー!?
次に重要なのは被写体との距離感。これはコミュニケーションの密度も連携してくるので、ポートレイトなら80mmというのは遠すぎて、自分の十八番50mm単焦点で行こうとおもったのですが、こう言う時に限っていつもと異なる手段、、、、という余計な挑戦心に乗っ取り35mmを選択。実はこれは森山大道さんの蟷螂と言う写真集が人物の写真集なのですが、24〜28mmで撮影されていてその画角がかっこいいことなんの、で広角使ってみるかぁ〜と思わせたきっかけ、でもさすがにびびって35mm。
撮影意図に沿ってカメラを選びます。(すべてソニーミラーレス)
常用被写体と近距離|A6500+35mm単焦点
水中撮影|RX100+純正ハウジング
暗がりでの撮影|A7S+35mm
(しかもA7s以外借り物、、、、、。ソニーさんありがとう。)
A6500は、近距離というより小ささ、そしてA7Sよりもフォーカスが早いということで浜辺での動くであろう撮影に用意しましたが、先ほどの35mmと組み合わせると結局50mmの様な感覚に。とはいえレンズは一本しかもっていかないので、夕方、夜の撮影ではA7S+35mmになりました。
僕が唯一履歴書を出して、断られた大先輩、藤代冥砂(一発変換できないんですね。)さんの写真集ではかならずと言ってもよいほど、水中撮影が行われます。(広末涼子さん、高橋マリ子さん、上原多香子さん写真集にて)こちらをオマージュということで、はっじめてのRX100とハウジング、そして初めてのダイビングに挑戦しました。カメラと自分の体の浮力が抵抗ありましたが、水泳だけは唯一できるスポーツということもあり、なんとか撮影。撮影中はプレビューできませんでしたが、写真集にはまるでそんなこと感じさせない写真が掲載されています。(鏡さん、井上さんありがとうございます。)そしてなにより、山本さんも初めてのダイビングにもかかわらずとことん付き合ってくださった賜物です。
さて、ロケ初日は移動とビーチ、ダイビング、夕景、さらに撮影は続きます。だって、おっきな嵐がきていたから!宿泊する部屋での撮影。こちらは大人っぽい写真にするために部屋の地明かりのみですが、かなり暗がりなので、A7Sにて。全然、余裕です。
途中で、光環境を整理するべく、部屋の照明でライティングをする一面も。あれ?この写真って収録されていましたっけ!?(こちらは現場写真を初公開!)アシスタントは同行していないので、編集の鏡さんがあっちこっちと照明を動かしてくださいます。が!コードが短かかった!!!!
2日で撮影予定の行程をすべて1日で撮り終わり、BBQを頂いた翌日は、台風がくる前に飛行機を変更し、ホテルにあるプールで、再度水中撮影!ここでも山本舞香、大爆発しております。
さて、とりとめなくなってきてしまいましたが、撮影者に必要なことはなにか、というと、まず第一に状況を用意することです。被写体にしてほしい表情、楽しんでもらえる環境を作ること、そうすれば、あとはその姿を撮るだけですから。自分が撮りたい写真は、被写体がいて、スタッフがいて初めて実現します。だからおもーいカメラで、何枚も何枚も撮ることが良い時もあれば、まるで一緒に旅行に行く様な気分で撮影するほうが良い写真になることもあるでしょう。
撮影者は、写真を撮られる人、とみる人、を繋ぐ仕事。その上でどの様な道具を使うことが最善なのか、考えてみるとスムーズに機材を決められるのではないでしょうか。いくつも写真集に参加させていただきました。数えきれない人物撮影に参加させていただきました。ただ、3日間、実際は5日間、同じスタッフで取り組んだ山本舞香さんの「サニー/ムーン」は、宣伝になってしまいますが、僕なりの最終形です。山本舞香さんをご存知ない方も、現場の温度感を是非感じていただけたらと思います。次回は、撮影の秘密、鳥取編、いつだろか、お、おくりしたいと思います!