僕の写真の裏にある、あの一冊。
ばっきゃろう〜こんなところで死んでたまるかよ!
挫折はあんまりないんだけど、いままで、人間として、終わりを迎えそうになったときが何度かある(病気じゃなくて)絶体絶命。これがそうなんだな、と感じることが。
でも、そんな度に、ばかやろう、じゃなくて、ばっきゃろう〜!とこのセリフが頭の中にこだまする。
中東の戦争に、戦闘機乗りとして送り込まれてしまった孤児院育ちの航空機パイロットの候補生。空を飛びたかったその想いは人殺しを強いられる。三年の任期を終えるか2億円の違約金を払わなければ日本に帰ることはできない。雇われた兵隊、職業兵隊、傭兵。
自分には関係ない国の戦争と国を守るために戦う、日本に帰るため、そして何も知らず別れてしまった最愛の恋人に会うために。
彼が務める基地に敵軍の総攻撃がかかる。応戦するために向かうが、燃料も弾薬も補充をしに基地に戻るを繰り返す、休む間もなく、離陸しようとすると、帰還する別の戦闘機のミサイルのロックが緩み、離陸しようとする彼に向かって飛んでくる。
離陸時、は舵を切ることはできない。運だのみ。間一髪、ミサイルは機体とすれ違い危機一髪を乗り切る、がしかし、その飛んでいく先も絶対絶命の戦局。勝てるかどうかはわからない、でも戦う以外の選択肢は、ない。
そんな友軍のミサイルを切り抜けて、彼が大声でコクピットで叫ぶセリフがこれだった。
ばっきゃろう〜こんなところで死んでたまるかよ!
彼の名前は、風間真、所属基地はエリア88。きしくも、名前の読みが自分と同じだった。僕がこの漫画を読んだのは中学生のときだった。小学生のときとは、違い、部活もヘボ、学業もヘボ、人間として底辺の評価をされ、友達も大していなかった。それはシンが基地での存在と同じだった。ミッションがおわったら、自分の部屋で過ごす。誰とも話さない。
あのときに、一人でいること、そして諦めないこと。それを教えてくれたのは、誰でもない、風間真だった。エリア88だった。だからそれ以降読んだ漫画はどれもぬるくて共感できなかった。
いまでも中東で戦争が起こり続けている。そこには、かならず、傭兵がいる。もしかしたら、風間真のような人間もいるかもしれない。だとしたら、自分が今迎えている難局なんて。
普通の飛行機乗りは、落ちることはあっても、落とされることはない。
そう、僕自身も落ちているのであって、落とされたわけじゃない(そうでもないこともあるんだけど)。だから、ふと、このセリフを思い出して、前を向く。だってもうミサイルは、通り過ぎたでしょう。あとは、前に向かって行くだけしかないのだから。悩んでいてもしょうがない、と。
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(写真・文:鈴木心、編集:山田友佳里)