僕にとって写真の仕事は、常に学びの特等席だった。
あらゆる場所のあらゆる職業を間近で傍観し、質問し、理解する。だからこそ、伝えるべき部分を見抜き、形にして、他者に伝える。そんな連続でした。
写真の仕事は、時代と寝る仕事です。
自分のクライアントのランクは自分のランクとなります。僕はAKBではなく、Perfumeはちょいかすり、ももクロの時代でした。何度撮影させていただいたか、、、もう記憶にないけれど、福島の自分の母校でプライベートなライブをやってもらうくらい、といえば、その親しさは通じるのではないでしょうか。
NHKの美のつぼの書籍では国宝級(ときに国宝も)の美術品を触りたい放題、聞き放題、撮り放題、落語も顔面ドアップ、お能はシテ方よりも近くで、アーティストの裏側を、ディズニーランドのなか(みんながあるくところ)を自家用車で走ったり、もう、なんでもありでした。
そういった経験を通じて知った、世界の成り立ち。
きっと普通の人生では見て回ることができないくらいの圧倒的な移動と、出会いの数。自分の写真には、活動にはそんな特等席の経験がぎっしり詰まっている。
当時、渋い仕事してるわよね〜、とオサレクリエーター事務所の社長に皮肉られて、むしろこれが渋く見えることが、渋いな、、、と思っていた、そんな僕の後ろには杉本博司じいちゃんがいたから。おらは杉じぃ、になる。いや、杉じぃにはならない、鈴じぃになるんじゃ、とはやくはげて松陰先生みたいな、ルックになりたい願望(は、ない。)はほどほどに。
昨日の映像の撮影では(しごとではなく)、ダンサーJenesさんとのリベンジ撮影。ちゃんとダンスのことを理解して、一旦は向こうの土俵でできることをやってみようと、改心し望んでみて、やっぱし、きちんと流儀がハマルと、ドシンとくるな。と。作ってみて重しました。その過程の中でまた学びがあり、気づきがあり、そして、課題も生まれる。
最新版は近日Instagramで公開予定、おたのしみに。
ずっとそんな繰り返し、特等席は得るものはないんです。必然的に与えられる、あなたが誰かに特等席を用意できていれば。だって、写真家は時代と寝るのが仕事、ですから。
本記事は、鈴木心写真学校のオンラインサロンで鈴木心が随時投稿しているコラムです。オンラインサロンにご参加いただくとすべての投稿を最新・最速で読むことができます。
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(編集・山田友佳里)
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