人も、物も、写真でみせたいのは表情だ。
オンラインストアやSNSなど、商品をしっかり魅せたい写真が必要になることもしばしば。何を隠そう、鈴木心のYouTubeでは、スマホで撮影する物撮りの動画が一番人気なんです。
先日開催した自然光物撮りワークショップのレポートをめぐる寫眞室( @megurusya )のかとうさんがとても丁寧に書いてくださいました!
山形県米沢市で写真館をやっております、かとうめぐみです。
物撮りのご依頼が増えてきたこともあり、スキルアップを目指してワークショップに参加しました。
クセのない自然光づくりも一筋縄ではいかない
まずはたいていの撮影で使える、あまり陰影の印象をつけない基本の自然光撮影。スチレンボードにりんごを置いて、右奥45度に影が出る場所を探すことからスタートしました。
撮影に選んだ部屋は南側全面が窓。自分では勝手にサイド光と思い込んでいたのですが、、、
実際は影が複数あり、一番強い影は右手前(反逆光)に出ていました。
理由は、窓の外。隣のお宅の壁で光が遮られ、壁が途切れている左奥(南西)から光が入っている状態でした。
「影」を見ることで、光が扱いやすくなる
光の方向を変えるには?
ここまでやってみて、「鈴木心の写真がうまくなっちゃうワークショップ 写真館」でやったアイランプと被写体の距離・方向を決めることと同じじゃないか! と気が付きました。
原理さえわかってしまえば、残りのセッティングも考え方はほぼ一緒。
被写体が際立つライティングが安定!
「なんとなくフワッとした光」で「なんとなくいい感じ」に撮れてしまうのではなく、「意図したフワッとした光」を「意図してよく」撮る。
そのためには、セッティングの一つ一つを丁寧に理解すること。なぜこうなるのか? を妥協せずに追求することが大事ですね。
ガラス素材は反射と写り込みを攻略せよ!
自由課題での被写体には、ワイングラスを選びました。
とにかく地道に、気になるところを一個ずつ消していくしかないです。。。
進め方のコツを挙げるとしたら、手数をなるべく増やさずシンプルなセットに抑えるのが得策かと思います。むやみにレフ板を多用したりすると、何がどうしてこうなったのかわからなくなってしまいます。ゴチャついてきたら基本に忠実に整理していく。
焦らずじっくり考えながら進める。1人で黙々と思考を巡らせながら物を撮っていく作業は嫌いじゃないです(笑)。
伝えたいことにあわせて光で演出する
最終提出では同じワイングラスで影を使って撮影しました。
やわらかい影がつくれたら、かたい影もお手の物!
人物も物(ブツ)もとことん「型にはまる」ことだな、と思います。
一見ネガティブな意味に捉えがちですが、全く逆。型にはまればはまるほど、個性が際立つ。それは他のワークショップでも感じたこと。
両極の光でワイングラスを撮ってみて、共通して思うことは「表情を撮る」です。柔らかい影でも強い影でも「表情が見えているか」どうか。
写真館での人物撮影と同じですね。
地元の魅力を伝えるために
修了時、地元・山形では大粒ぶどうのハイシーズン。以前家族写真を撮影されたお客さまが農家で、ぶどうの物撮りをご依頼いただきました。
逆に、物撮りのご依頼から家族写真を撮りに来られるお客さまもいらっしゃいます。地域社会の中で写真館を営んでいると自然発生的にこういう流れが生まれてくる。
これまでは無意識のうちに人物がメインで物撮りはサブと思っていたのかもしれません。これからは一つ枠を超えて「表情を撮る」写真館として地域に根ざしていきたいと思います。ありがとうございました。
好きな写真を、仕事にしよう
ライティングの原理は人物も、物も同じ。お客様の要望に答えられるような写真技術を身につけるなら、「写うま|写真館」へ!
撮影技術の前に、もっと写真の大事なことを。ベーシッククラスから受講いただくと、写真館クラスの理解ももっと深まります!鈴木心写真学校のメインワークショップは3ヶ月ごとに開催中。
(編集・山田友佳里)