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学校に価値を見いだせなかった僕が、それでも得たもの

1999年。


この文章は

  • そもそも登校拒否といえるレベルではない

  • 遅刻は120回くらいだったけど

  • シンプルに学校がつまらなかった

  • 単位制の学校なのでずっと学校になくてもバレなかった

  • とはいえ、ある日を境に無視されたのは事実

  • だから、この文集で公開処刑したかった

という構造になっています。登校拒否って、自分で言わないじゃん、ふつー。朝ジャズ喫茶に行って、ゲーセン言って、バンドの練習スタジオでして、って、学校よりはるかに充実した人生をおくっていたのが現実です。

残念ながら、ぼくは学校という習慣に価値を見出せなかった。なぜなら、自分の勉強したいことは学校にはなかったから。その逆の集団行動や、競争、数値測定、ばかりが求められ、こんな片田舎で、そんなものを重んじたことで、自分の憧れていたミュージシャンになれるとは一ミリも共感できることがなかった。

そういう自分の判断は自分で決める。両親からの教え通り、自分が納得できないもの、価値観には迎合しないということを学べたのが、義務教育だったのだと思います。(ゆえに大学の授業には、結局行かない、、、、わけで、ここも授業にはいかないけど、研究室や図書館にはめちゃ行っていたんですね。実は)

たんじくんは、織田信長がすきな歴史好き。戦国武将の格言から、天皇制の問題まで、幅広く史観を教わりました。成績優秀なのに、反体制で学祭で、全校生の前で「世の中に先生と呼ばれてロクなやつはいない」とオンマイクでシャウトしたのは、ぼくの永遠の記憶に刻まれたっけ。どっかの番組の放送作家やってるんじゃなかったかな。もう20年は会ってない

よーたくんは、とにかくミーハーでバンドもバスケも恋愛もファッションもとにかくかじる人。だから薄いしいまは髪の毛も薄い。両親が高校教師なんじゃなかったかな、その教えもあって、几帳面だし律儀だし他人思い。一言一言に優しさを感じる人だった。産廃業者の営業をライスワークにしつつ、ずーっとDJやってたな〜、薄ーいDJ。4人の中のおしゃれ担当かな、そんな憎めない人。

まなべは、哲学担当、サルトル、デカルト、早稲田出の通称おっさんという家庭教師の影響で、左系の思想が強かった。この4人に共通で言えることは、先生に気軽に反論するとこ。それは先生という空虚な存在を論破してやろうといつも自論を持ち、展開し腕試ししたのでした。いまでも忘れないのは、昼間に近所のコンビニに買い食いにいって(いっちゃいけない)先生に見つかり職員室、でやるな!っておこられているのに、なんでやっちゃいけないのか、説明してくれ!と逆に質問する。学校の規則に買いてないじゃないかと、出入りのパン屋からしか買えないのはおかしい(いまだったら、小麦食漬けにするのは健康面でいかがのもか!とか言ったかな)平気で、反論するんですよね、小さなことでも。もう、いまも変わらずでお恥ずかしい。

まなべの記憶に残っている言葉は「昨日見た夢」の話で、誰もない、真っ白い、空間の斜面をずっと転がり続けるというもの。誰にも止めてもらえない、終わりのない回転。そして、「おい、しん、世界に自分ひとりしかいなかったら、お前は自分がそこに生きていると証明できるか?」と言われて、なるほど、と。

それがいまのコミュニケーションの考え方の源流になっているんですね。

まなべは元々映画監督になりたかったんだけど、テレビ番組のディレクターをしっかりやってます。とまぁ、こんな感じで、これを超える仲間というのはなかなか生まれないわけです。

もうずっと会ってない、でも会わなくてもいい。当時の彼らの記憶がこうやって自分をずっと支えていてくれるから。HIROMIXにも会いたくない。会うことで、あーあ、ってなるのも、あのときは〜、なんて懐かしむのも今じゃない。今は今、今やるべきことをまだ、片付けられてないじゃないか。

目を閉じれば、まるで昨日のことのようにあの毎日を思い出す。それはきっとこの先もずっとそうなんだろうな、と。噛み締めつつ。

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