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「あなたは、あなたが食べたもので、できている。」

心さんは、どうやって〜〜〜なのですか?という質問を頂くたびに自問する、なぜだろうと。よくテレビゲームを引き合いにだす。ゲームにはルールがありゴールがある、その中で最良の仕事をするためにはまず仕組みをきちんと理解すること、そしてうまく乗り切る腕を磨くこと。

家族の仕事には一切興味を持たない。そんなポリシーを持っている。仕事が近いから、目に入ると感想を超えた争いを生む可能性がある。現場には現場の事情がある。だから無関心が最大の関心と言ってもよいだろう。

そんなことは御構い無しにある日、とんでもないキャッチコピーを目にしてしまった。「あなたは、あなたが食べたもので、できている。」これは味の素の企業CMである。あったりまえなんだけど、意外と無自覚なこと。それを何千万人に届ける広告という発明は偉大だ。

身近すぎて見えない「お母さん」の仕事。人間の仕事は育てること。育てられる中で学び、その学びで育てる。その中でも食事は生きることに直結する学びである。(味の素の製品が生きることにどう関わるかの議論はあえて通過させて頂きます。)つまりお母さんの味、で自分は出来ていることに僕らは自覚的だろうか。

そんなこのCMの主人公であるお母さんを名演する役者さんは、当時まだ1歳と少しの子育てに奮闘している本当の母親でもある。そんなどちらの姿も姿がオーバーラップしてなんどもこの映像を見て涙を流した記憶がある。

よくいう、お母さんの味。これは自分の細胞の中に刻まれた母の歴史であり、自分の軸である。生命はこうやって46億年もの間、紡ぎ続けてきた。どうしたらいいかわからない。そういう時は、自分に聞くのが一番なのだ。

仕事で選択に悩んだ時は自分の過去に聞くことにしている。自分が影響を受けてきたものたち。その中にじぶんらしさのヒントが必ずある。だからその一つずつに向き合う時間、も大切にしている。早朝や寝る前、仕事や時間を気にせず、中学生や高校生、あのときのようにのんびりと、こころゆくまで。

製作者たちは何を考え、どう伝えたかったのだろう。どのような環境で、制約があったのだろうか。当時の自分の受け取り方と今では大分ことなる。懐かしさ、を感情的だけに受け止めない。いまと当時の差分、懐かし差分、に客観的になってみる。

自分の写真は、当時の自分を、あっと言わせるものが撮れているだろうか。ふと、問うてみることがある。胸を張って大丈夫。と言えるために、いつもあの時に影響うけたものを引っ張り出せる小さな記念館を実家にこしらえた。

今の自分を知るために、そして前に進むために、過去に学ぶことは自分も人類も変わりない。だから、なぜ心さんは、と聞かれた時には、自分に聞いてみてほしい、と伝えたい。なぜなら「あなたは、あなたが食べたもので、できている。」のだから。




広告は偉大な発明だ。でも同時に偉大な発明も廃れる時がくる。変化に順応できるもの、それが最強だと、チャールズダーウィンは言う。

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