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本日の鈴木心写真館:「はい、チーズ! は言わないで」の巻

この日選ばれた集合写真。カメラへ、全員の意識が向かう、ほんの少し前のこと。お子さまはしっかりカメラのほうを向いているのに、大人たちは思い思いに子どもたちに話しかけたり、笑いかけたりしています。

「はい、チーズ!」と声をかければ誰もが静止して、残ることに対して備えるけれども、実際にはシャッターが押されようと、押されまいと、時間は止まることなくずっと流れていて、人間の表情や、気持ち、というのも絶え間なく変化しているものです。

特に、この写真館のカメラは、シャッター音がしないから、いつ押すか、いつ押されるか。その一度切りと、「撮れてしまった」偶然に向き合う緊張感は、撮影するひとにも、撮影されるひとにも、同時に存在しているもの。

そんな一瞬間に、それぞれが、それぞれの方向を見て、それぞれの気持ちで、それぞれの理由で笑っているのに、それでも一緒に過ごしている時間の幸福を、この日の集合写真のような1枚に、教えてもらっている気がするのです。

毎日、少しずつ、でも確実に、成長していく子どもの姿に、ふと立ち止まって変化の日々に思いを寄せる。そんな七五三のイベントに、写真を撮ることの意味を、象徴するような1枚でした。

残る写真には、音がない。言葉もない。だから、撮ったときの正確な記憶なんて、時間と共に薄れていってしまうでしょう。

だからこそ、それを見て、あのときって、何があったっけ? どんな時間だったっけ? と思い返そうとするときに、自分と写真の間には、いつも新しい関係性が生まれていくはずです。

まだまだやんちゃ盛りな兄弟同時の七五三、でしたが、見守る大人たちの心配をよそに、撮影した2人の写真の表情はびっくりするほど凛々しくって。きっとこんなふうに、どんどん大きくなっていくのだろう、と写真を見返しては想像してしまうのでした。(記事:湯本愛 写真:齋藤さおり)

※鈴木心の手による実際の写真を、鈴木心写真館のInstagramで展開中。気になる方は、下記からご覧いただけます。

11月のご予約可能日は、以下の通りです。(※10/31現在)
11/10(土)、17(土)、18(日)
(時間は個別にお問い合わせください)
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