撮影という行為は、現場でしか味わえないから。
コロナをきっかけに多くの方に認知を広げたYouTube「鈴木心の写真道場」。今や登録者数35,000人を超え、それを通じた共育事業の売上はオンラインストアだけでも年間3,000万円を超え、YouTubeを通じて写真館にいらっしゃった方まで含めたらその経済効果は未知数でもある。
年間数十件の写真館を生み、自らは海外で写真館をするまでに広がった。その先でサポートしてくださる方も、この写真道場を通じて広がった縁である。
実は、この「写真道場」はYouTubeが始まりなのではない。この名前は自主のワークショップから来ているのである。定期開催のワークショップを始めたのは2011年から、学校のレクチャーや単発のイベントであればもっと前から行っていた。
教えることは、教わること
「人は教えることによって、もっともよく学ぶ」
これはギリシアの哲学家セネカの言葉。
「教えることの最良の手段は、行うこと」
これは革命家チェゲバラの言葉。
「教える」というと、なにか仰々しいようなイメージを持つのは、教えて育てる、という言葉の印象だろうし、学校教育のあの重々しい雰囲気のせいだろう。しかし、本当は教えることで得するのは、教える側の自分自身なのだ。
同じことを色々な価値観の人に知ってもらう。そのためには、いろいろな価値観を知らないといけない。それを教わるのが教育ならぬ、共育なのである。
楽しいなかに、学びはある
学習は道のりであってゴールじゃない。だからゴール不在の学習は、つらいのだ。しかしゴールがあれば、他人から辛く見えていても、楽しいものだ。写真家になりたい、お金持ちになりたい、理由はなんでもいい。楽しいが原動力であるべきなのだ。楽しい写真が、良い写真になるように。
では、楽しい写真教育とは何だろう? 写真は好きなのに写真家を知らない。写真は好きなのに、写真は学ばない。でも、サッカーもスケートもしないのに、観戦はする。そうか、写真を観戦できればいいのか、と。
「写真はライブだ、そして写真はゲームだ」。
10分一本勝負。みんなが写真を撮る時代。本当の写真家は10分で何ができるだろう?その撮影風景を見せることがストーリーを語り、ファンを産む。
撮影風景を見ることが、写真の撮り方の学習になる。それが、2018年に生まれた、写真撮影観戦イベント「鈴木心の写真道場」なのだ。
怒涛の勢いで15回以上を繰り返し、5年ぶりに再開。写真というメディアはオンラインで閲覧することができる、でも撮影という行為は、生で見ないとわからないことは多い。みんなが写真を撮る時代だからこそ、本当の写真体験の一つとして、撮影を見ることは、ライブであり、スポーツであり、ゲームであり、学びとなる。
2020年にYouTubeを始めてから、進化を遂げてきた共育活動、そして現場の力、つながりをもう一度現実の世界に再現すると、どうなるか? 自分にとっても、プロジェクトチームにとっても、そして出演者、観戦者にとっても、その真価を知るには現場にいるしかない。いつかは国民的にスポーツになる日を目指して、写真対決の火蓋は、また切って落とされる。
で、お前は何やんの? そりゃぁ、みなさんのお察しの通りである。よくも悪くも、必ず、期待には応える。そんないつものポジションを果たすまでである。馬喰横山にてお会いしましょう。どぉじょ〜!
360° 学びだらけ!持ち帰り放題!
鈴木心写真館 馬喰横山スタジオで20名だけが体験できる、撮影観戦イベント「写真道場」。プロのスタジオ、機材、アイデア、すべてが見られるチャンスをお見逃しなく!
YouTubeでも一部の対決をご覧いただけます!
スタジオ撮影のテクニックを磨きたい方は写真館のワークショップ! 好きな写真を仕事にできるノウハウ満載!
(文:鈴木心、編集:山田友佳里)