良い写真を撮るための「眼」を養う方法
「思ったように撮れない」という写真の悩み。それは言葉通り、「思った(=伝えたい)」こととと「見えている」ことが一致していないから。
写真経験者でも初心者でも陥りがちなそのつまずきを、たった1ヶ月で解消できたのは? ワークショップに参加してくださった西中卓也さんのレポートです。
写真集の(読)みかたがわからない、から
写うま3期木曜クラスに参加した西中よりレポートします。
初めて写真集と出会ったとき、正直何を伝えたいのか、どう意味を持たせた構成になっているのかわからず、「へぇー」と流し読みしていました(今思うと作家さんにめっちゃ失礼)。
そんな頃、心さんのYouTubeチャンネルと出会い、写真の面白さ、考え方、つくられ方を知ります。写真を作るって面白いな〜と思い、過去動画を見進めていくとタイミング良く写うまの募集に行き着き、熱が冷めないうちに!
と写うまへの参加を決めました。
思い込みから抜け出す基礎練習
水平・垂直・正面
水平垂直は意識していたつもりが、本当に「つもり」だったことがまず判明。簡単そうで意外とできてない。
そして物理的な正面を意外と捉えられていない。感情フィルターで架空の正面をつくってしまっていたことも。課題は自分が本当に伝えたいもの、ことが一番伝わる捉え方を見極める、良いトレーニングだったと思います。
また、後々24mmなど広角域レンズを使用する際にパースの存在に敏感になれるようになったのは、50mmレンズを徹底的に使い込むという制限のおかげだと思っています。
適切なフレーミング
近・中・遠の3つの距離感は、のちに写真集制作をする際に一番苦労した要素でもありました。主題に近づくにつれて、整理されゆく情報量。だけど、主題がはっきりしすぎるほどつまらなくなり、逆に情報が多すぎると伝わらない。
シャッタースピード、絞りの課題に移ると、表現の幅も増えてより実践に近くなりました。
同期生のアイデアやタイトルに刺激と危機感をいただきながら焦りまくった日々でしたが、情報量で変わるストーリー性や関係性を体感できた良き日々でした。
今後受講される皆さん、クローズアップフィルターがあると距離の表現が増えて楽しいですよ!
真似から始まる、初めての写真集づくり
まず、たくさんの写真集を見せてくださった写真学校へ本当に感謝です。簡単に撮っているように見えていた写真が、いかに考えられたシチュエーションと構図で完成させられているか、模写することで気づきます。
やっぱ作家さん。。。すげぇ。
そしてワークショップでの心さんの解説に出てきた、明るさや、線での視線誘導。これはデザインの分野を勉強したくなった瞬間でもあり、興味深かったです。
自分は作家の決定にとても苦労し、足踏みしてる時期がありましたが、アフタースクール(オンラインサロンのメンバー同士で開催するミーティング)で先輩方に「悩んでいるのなら全部やってみたらいいのでは!」と助言いただき、写真集の完成よりも成長することを目指して動き出すことができました! 先輩方、ありがとうございました!
自分の環境に置き換えたら「自分らしさ」がみえる
最終的には心さんからお薦めいただいたペンティ・サマラッティさんに決定。「サマラッティさんがもしここにいたら何を撮るか」。この最終課題のテーマですが、傾向が見抜ければ、まずご本人に似るのではと考えました。
何をよく撮っているか
どんな構図が多いか
社会との関係性は?
天気は? 太陽の高さは? 季節は?
さまざまな視点から探します。
大体ポイントを押さえられたらひたすら撮りに行く。時間が限られていたので、できるだけコンセプトをブラさず。。。ペンティさんは決定的瞬間を詩的に切り取られる方だったので、とにかくいい瞬間に敏感になれるように。
今回はトリミング前提で少〜しワイド目にファインダーに入れて撮っていました。これはファインダーの外で面白いことが起こっていても、ずっとファインダーを覗いていると気づかない。そんな経験があったので。
毎日みんなで進化する
まずなんと言っても同級生の存在。
みんなで同じ課題に取り組むことでとても刺激的でした。皆さんありがとうございました!
そして毎日心さんにレビューいただけるという贅沢な日々。ついつい他の方が言われていることにも耳が傾いてしまいます。レビューの数だけ疑似体験ができるというか。
そして作者を「憑依」させることで全く新しい写真体験ができ、新たな表現の引き出しを得ることができたと思っています。長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!
「眼」と「心」と、カメラがつながる。
基礎練習から始まり、3ヶ月で作品づくりの実践までできる。カメラに慣れていない方も、経験者でも、もっと写真がうまくなるワークショップは7月から新学期スタートです。
この #現場体験レポート は、鈴木心写真学校のオンラインサロンで随時投稿されているものを転載しています。
(編集・山田友佳里)