見出し画像

鈴木心のレタッチQ&A #1-10

来たる5月9日ワークショップ参加者の方々から頂いている質問を片っ端かたお答えするシリーズ第一回目。一体何回答えれるのかわかりませんが、申し込みは残すところあと数席!あとは当日の立ち見のみ!

では、早速行ってみましょう〜。

Q1、適正な露出やシャドー感を調整したりは普通に出来るのですが、例えば自分らしい“味”や“雰囲気”などの色味をどう出していくのか知りたいです。

A、仰っている適正というのはあくまで、数字上の話でもはや自動でできること。人間に沢山写真をみて、それがどういう意図をめざして工程を踏んでいるのかを想像することが大切です。その数を行なった分表現の広がりに繋がります。

Q2、レタッチするときに何を考えているか知りたいです。写真を撮る中でレタッチがどういう位置づけの行為なのかも知りたいです!

仕事は文字のごとく「仕える事」です。撮影中も含めて、完成したときに喜ぶ、クライアント、被写体、その写真をみるお客様の気持ちをいつも想像しています。僕はレタッチも撮影の一部だと思っています。撮影した写真の整合性が崩れるまでレタッチしてしまうと写真ではなく、絵になってしまうからです。

Q3、レタッチにおいて、アマチュアとプロとの違いとは?
→鈴木さんにとって、どのようなレタッチをできれば、アマチュアの域を抜けプロと言えると思うか、知りたいです。

A、まずはお金をもらえる水準。そして撮影者とクライアントの意図を画像から汲めるか。僕はレタッチャーに指示をあんまりしないんです。自分の思っている以上に仕上げてくれるレタッチャーとしか仕事はしません。そのために撮影現場に来てもらって雰囲気やおクライアントとのやりとりに参加してもらい、気持ちが一丸となるようにしています。

Q4、カメラメーカーごとにRAWデータにも特色があると言われていますが、好きな色や質感が出やすいメーカーやカメラはありますか?

 A、僕は低解像度、低情報量、低価格のカメラがが好きです。調整しすぎるとデータが破綻してしまう。その質感が、なにやっても大丈夫!というコシのあるデータよりもアナログっぽくって気に入っています。破綻することもデジタルらしさですから。高級なカメラはやはりデータにもコシがありますね!特に中判。

Q5、レタッチを考えた上で先に撮影をしているのか? レタッチの項目の順番はあるのか。

A、合成という意味のレタッチであれば、あらゆる測量をして、レタッチャーが作業しやすいように配慮した撮影をします。逆に現場は流れを重視する必要がある場合は、その場では暫定的なプリセットを当てておいて、撮影後に追い込むこともあります。あんまないけど!

Q6、子供の写真のレタッチのコツをお聞きしたいです

A、子供だから、風景だから、ということではなくって、写真をみる人にどう思ってもらいたいか、その逆さんですべての作業を考えていきます。

Q7、Capture Oneのメリット、レタッチ方法

C1はデンマーク、コペンハーゲンで設計されています。デザイン先進国のソフトフェア。これが象徴するように、とても個性的な設計です。テザー撮影〜現像までのワークフローの素早さにあります。C1はそういった現場でカメラのように直感的に使える設計が隅々までされているので、ぼくのようなせっかちな人間には重宝します。C1は(買収後の)ボルボ。LRはジープ。と例えてみます。

Q8、フォトグラファーとしてのレタッチの範疇

現像ソフトでできることまで。フォトショップはレタッチャーの領域です。

Q9、目で見た印象に近づけるときと、被写体の雰囲気や世界観に近づけるときとでレタッチの方向性をどのように変えていますか?/ どこまでも追い込めるだけに、どこを終わりにするかわからなくなる時があります。何をもって完成と判断していますか?

そこの2つを分けないことです。写真は主観です。自分にどう見えたのかを明示することで需要を生みます。かつて蜷川実花さんの印刷校正に立ち会ったことがあるのですが、自分の作った雰囲気を損なわない範囲のブレは許容する、という哲学を僕も継いでいます。青が青色の範疇内であれば、多少の誤差やブレは作った人にしかわからないものでしょう。

Q10、後から黄色が強かったことがわかったときの対応

色温度の誤設定のお話をされているのだと思いますが、データで再度ホワイトバランスを取り直しましょうか!自動でできますから!

さいごに、宣伝を少々!

写真を上手くなるためには、写真の中のコミュニケーションを知ること。

プロが公開したくない、写真の現場の本

写真は見るものじゃない、読むものだ!という意味がわかる、そこの、あなた!

鈴木心のコミュニケーションは実は写真館の産物である。二万人を撮影しているモンスター級写真館のなりたち

続く!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?