追悼、巨匠パトリック・デマルシェリエ。ありがとう。氏に学んだ撮影ライティングの基礎
鈴木心の写真学校で定期開催となっているポートレートワークショップ。自然な表情を引き出す鈴木心写真館の人物撮影から、語り継がれる名作写真まで。各回テーマに沿った写真を読み解き、実習課題で真似しながら、さまざまなシチュエーションにおける実用的な人物撮影技術を身につけます。
3月に行われた5期のテーマは「ファッションフォトの巨匠 パトリック・デマルシェリエにライティングの基礎を学ぶ」。鈴木心のワークショップに初めて参加してくださった、小林さんの現場体験レポートです。
医療現場で写真を使ったコミュニケーションがしてみたい
みなさんこんにちは。ポートレートワークショップ5期の #現場体験レポート を書かせていただきます、小林崇人と申します。普段は兵庫県の片隅で総合診療医をしています。
医療現場で写真を使ったコミュニケーションをしてみたい! でも人の写真なんて撮ったことないから勉強したい! と思い本サロンに参加しました。
鈴木心のオンラインサロン「SKOOL」には、写真が好きな方がプロアマ問わず参加されています。そして意外にいらっしゃる、医療や介護のエッセンシャルワーカーの方々。写真を使ったコミュニケーションに可能性を感じてくださっているそうです。
さて、サロンに加入したばかりで右も左もわからず、とりあえず勢いで参加してみた今回のワークショップ。テーマは「パトリック・デマルシェリエに学ぶポートレートライティング」でした。
1、写真の影を読解して、デマルシェリエる!
鈴木心が撮影におけるライティングの重要性を再認識したというパトリック・デマルシェリエの写真。海外ファッション誌やハイファッションブランドといった華やかなフィールドで、シンプルなライティングでありながらひと目見ただけで印象に残る作品を多く手がけています。
ワークショップ本編ではまず物撮りで影の印象と役割を解説し、写真には直接うつらない、セッティングのつくり方を実演していきました。
そもそもポートレートすら撮ったことなく、ましてやライティングなんて考えたことすらなかった自分でしたが、初回の講義ではライティングを基礎から実演、解説していただきライティングの要素をある程度理解することができました。
・角度→影の位置で判断
・距離→影の濃さで判断
・階調→影の輪郭の柔らかさで判断
この3点を意識することで、写真からライティングを「読解」することができるようになりました。
2、模写してみたら、オリジナルに挑戦
OK、ここまではなんとか馬脚を現さずについてこれました。でもまだまだ前半が終わったばかり。初回の講義終了時に課題をいただき、後半の講義では各自の課題に心さんからアドバイスをいただけるとのこと。
ポートレートワークショップ 5期 課題:
(1)デマルシェリエの撮影したウィノナ・ライダーを模写して撮ってみよう
(2)(1)と同じモデルの方にどんなイメージで撮ってほしいかリクエストを聞いて、そのイメージを実現するセッティングで撮影しよう
参考にしたパトリック・デマルシェリエ撮影
ウィノナ・ライダーのポートレート
『PATRICK DEMARCHELIER』/TONY SHAFRAZI EDITIONS より
さあ、困りました。
モデル探しに始まり、なんとか撮影を試みましたが、まあとにかく時間がかかること。撮る方も撮られる方も素人で挙げ句の果てに撮る方は知識も最低限ときたらまあ、当然ですよね。
それでもなんとか提出期限に間に合わせてほっと一息。
ポートレートワークショップ 5期 小林崇人さんの課題(1)作品
ポートレート撮影やライティング初挑戦にもかかわらずこの仕上がり!
ポートレートワークショップ 5期 小林崇人さんの課題(2)作品
3、写真を見せ合って次の目標へ
そしていよいよ本番、心さんの添削タイム。課題を提出した時点で薄々勘付いていましたが、自分以外の参加者の皆さんは超ハイレベルです。それに応じる心さんのコメントもハイレベルで、ワークショップはどんどん白熱。
写真1枚にうつる全ての要素に意識を向け、理由を求める心さんからプロの凄みをひしひしと感じる一方、自分の課題の不甲斐なさに冷や汗タラタラでしたが、こちらのレベルに合わせたアドバイスをいただけ、プロの優しさも同時に実感したのでした。
ポートレートワークショップ 5期 上原秀樹さんの課題作品
2つ目の課題(右)は、カラーということを差し置いても、同一人物とは思えない振り幅!モデルの方の要望にとことん応えた作品。
ポートレートワークショップ 5期 田島史絵さんの課題作品
2つ目の課題(右)は「某化粧品CMの石田ゆり子さんのように」とのオーダーだそうです。
ポートレートワークショップ 5期 出崎弘毅さんの課題作品
模写(左)のセッティングから、ナチュラルにユーモアを織り込んだアイデア作品(右)!
ポートレートワークショップ 5期 白石智義さんの課題作品
あどけなさは残りつつも、大人っぽく。ポーズはウィノナ・ライダー完コピなんじゃないでしょうか。
本ワークショップに参加して、ライティングについて基礎的な知識を知りたいという目標は余裕で達成されました。それ以上に写真を撮るのは楽しい、もっと撮ってみたいというモチベーションをいただけました。
下の写真は課題のことを考えすぎて、影のあるものはなんでも撮っていた時に見つけた病院の屋上の手すりです(笑)。
PS:デマルシェリエさん、3/31に逝去されたんですね。ご冥福をお祈りします。
ご冥福をお祈りいたします。
氏の写真にはまだまだ学ぶことばかり。
ポートレートワークショップの6期も引き続き、「パトリック・デマルシェリエに学ぶ自然光撮影」として2022年4月11日(月)より全2回で開講します。みんなでデマルシェリエりませんか?
この勢いで写真がうまくなっちゃうワークショップも参加しようかな、、。オンラインかオフラインかでもう少し迷ってみます。
撮るのがもっと楽しくなる、「鈴木心の写真がうまくなっちゃうワークショップ」。心が動く瞬間を逃さず、伝わるように撮る写真の極意をすべてお教えします!
「写うま」の様子はインスタグラムでチラ見しつつ、まずは教科書から手にしてみるでも◎
編集:山田友佳里(@tbnymd)
記録写真:松川ゆい( @yui_mat2ukawa /鈴木心写真館)
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?