マガジンのカバー画像

鈴木心の写真ノート

34
写真家鈴木心の写真のこと、言いたい放題です。
運営しているクリエイター

#写真館

写真がうまくなっちゃう7のこと。

写真に本当に必要なことは、写真を見なくても学べる。ツイッターで募った質問を全問解答し、編集した、自主製作の写真の問答集「しゃしんがうまくなっちゃう7のこと」。写真の作例が一切入っていない対話形式の本です。 スマホ、テレビを眺めている1時間だけ僕たちにいただければ、間違いなく、写真をうまくしてみせる、そんな一冊です。 みんなが写真を撮る時代にあなたは次のうちどれだろう。 カメラマン? フォトグラファー? それとも、オペレーター? 1、写真は誰のもの?もし世の中に自分一人しか

鈴木心のスマホ写真道場 「一眼レフよ、さようなら」

今回の旅ではiphoneXSしか持ってきていません。前回二回分ではTOKYO GRAPHER の外付けレンズを付けた写真をお見せしましたが、今回はiphoneのカメラのみ。ちなみにアプリも純正のカメラアプリしか使わない派です。その実力を通して思ったことです。 RAWデータって本当に必要なのか?映像でも写真でも撮影画像を加工しやすい状態で保存して(HDR)あとでプリセットやエフェクトをかけても画像が破綻しないようにする形式が広まっています。かなり柔軟。いままでRAWじゃなきゃ

鈴木心のスマホ写真道場 「iphoneXS+tokyo grapher WIDE Lens」の巻

広角レンズが嫌いでした。このレンズに出会うまでは。スマホについているカメラというのは誰もが使いやすいような広さなので、いざという時に意外と、たりない!となることも。そんなときにポケットにこの子を持っていれば、それは、もう、別次元。 いつもと違う、だから面白い写る範囲が広すぎる!だから、おもしろい。写る範囲を狭くするために、しっかり寄って撮る。被写体との距離で感じるお互いの息遣い。いつもズームで解決して、わすれてしまっていたあの感覚。 でも、どーんといきましょう。大丈夫

フイルム写真よ、さようなら#10「ミラーレスからスマホへ」

一眼レフから、ミラーレスへ。重いものも大きいものも大嫌い。面倒臭がりな僕はいつも小さくて軽い機材を求めてきました。流行りの重くて大きくて、やたらとデータ容量が大きいミラーレスは苦手です。燃費の悪い車みたいで。 カメラからスマホへ。iphoneってやつは、 ・ロック画面からカメラ起動でき ・二眼になって標準画角を得られ ・HDRでRAWデータのような柔らかさを得られ ・マナーモードで無音撮影ができる ・直感的に操作できるインターフェース ・PC、写真とのデータ共有が無線

写真であそび、写真でまなぶ。鈴木心写真館の今、すべて。

写真家よ、さようなら。鈴木心写真館は、写真家鈴木心を中心に活動しているチームです。写真を初めて17年、ぼくは、作家とかアーティストとか、コマーシャルフォトグラファーというかたっ苦しい区分けに飽きてしまって、個人ではなく、数名の組織活動をしています。(写真:鈴木心写真館のあゆみ より) 写真であそび、写真でまなぶ僕らの活動コンセプトは「共育」。遊びの中に学びがある。もっと考え、もっと豊かな時代へ進むこと。そのために写真ができること全てを試みるのが鈴木心写真館です。 写真を見

鈴木心の写真の読みかた#1

写真は見るものじゃない。目で読むものだ。1枚の写真を説明するには文章にすると20ページ分の分量が必要だ、と聞いたことがある。 僕の最初で最後の写真集「写真」。収録されている写真はそのほとんどが学生時代に撮影したものである。まずは手始めにこの1ページ目の写真は、なぜ1ページ目にあるのかを説明してみたいと思う。 大学の友人、写真家で白血病で急逝した遠藤俊介は2浪したぼくよりも3歳年上の面倒見。カンボジア好きが講じて在学中、一年の半分は現地で遺跡を巡る生活、もう半分は東京でアル

フイルム写真よ、さようなら#8「いままで一番撮りづらかった役者さんは?」

いままで一番撮りづらかった役者さんは? という質問をうけることがある。答えづらい。だからシラを切り通す。でも本当はすぐに思い出す撮影がある。奇しくもその写真が掲載された雑誌の印刷は2008年の9月22日。10年前の今日だった。 初めての仕事「hon・nin(本人)」という奇妙な文芸誌があった。編集部はわずか2人。僕が駆け出しのころに任された、吉田豪さんの連載honnin列伝のインタビューの撮影。宮藤官九郎さん、中川翔子さん、麻生久美子さん、など錚々たる方々の生い立ちを赤裸

鈴木心写真館inコミケのひみつ「白背景に一灯」を攻略せよ!

鈴木心写真館inコミックマーケットは2014年末に始まりました。企業でもないサークルでもない、コミケにおける新しい枠組みの実験として、参加者と準備会をつなぐ写真の試みです。 機動力重視、初陣、コミケ87カメラ:HASSELBLAD H1 + Phase One IQ180 ライト:BRONCOLOR GRAFIT A4 + Pulso G  ディフューザー:PROFOTO SOFTBOX 90X120 当初から多くの方を撮影することを想定された出張写真館形式のプロジェクト

フイルム写真よ、さようなら#6「コミケ写真のひみつ」

お陰様で3万5千リツイートを頂いた、コミケの動画。これはコミックマーケット準備会からの特別な許可を頂いて撮影したものなのです。 鈴木心写真館は縁あって、2013年の冬よりコミックマーケット公認の記録写真撮影を行なっています。その一部が先日の俯瞰映像だったのです。コミケ終了後の準備会のツイートで使用される写真も同様です。 今回は、これらの写真がどのように撮影されているかをご紹介したいと思います!(今回は技術のお話で、なぜこういう写真を撮るのかは、またの機会に!)まずは3つの

フイルム写真よ、さようなら。#3 鈴木心の最初で最後の写真集『写真』について

僕の一生ではこんな出版計画があります。 1、作品集:一冊で鈴木心の写真について理解できる本 2、伝心:一冊で写真に必要なコミュニケーションが理解できる本 3、技術:一冊で写真に必要な技術が理解できる本。 4、生き方:一冊で写真家としての生き方が理解できる本 しかしこのうち3つが先日発売した『撮影ノート』で、完結しました。『撮影ノート』は2006年から始めた写真の仕事の技術に関してを網羅する本ですが、08年、写真大学時代の03年から撮影したカラー写真をまとめた本を出版していま

写真はライブだ!「写真道場」のひみつ。

6月29日に控える写真道場#3にむけて、鈴木の胸中ぶっちゃけてみます!好きなミュージシャン、好きなスポーツ選手、あれ?みんな写真を撮るのに、好きなフォトグラファーはいない。そんな悲しい現実をぼーっと眺めてきたこの18年間。なんでだろうなぁ。と。 「つい先日セガに履歴書を送りました。」 ゲーム育ちの僕はゲーム業界に憧れていました。写真業をやめるんならっと思って中学生の時からの夢だったセガについ先日中途採用ページから履歴書と作品集とともに、応募しました。が、二週間以上返事をまっ