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鈴木心的死生観。人は死んだらどうなるのか。

写真の構図と撮影のポイント

主題を意識した撮影

写真を撮るときに、撮りたいものを中央に置くのが良いと言われることがありますよね。でも、それって本当に正解なんでしょうか? 風景を撮るとき、何となく「いいな」と思ってシャッターを切ることが多いと思います。

でも、もう一歩踏み込んで「この風景のどこが特に魅力的なのか?」を意識するだけで、グッと印象的な写真になるんです。

「ここが素敵だ!」と思う部分を中心にして撮るのも一つの方法。でも、それだけじゃなくて、視線の流れやバランスを考えて、主題をずらしてみるのも面白いんですよね。

平面構成とリーディングライン

写真には平面構成という考え方があります。これは、2次元の画面の中で、どのように被写体を配置するとストーリーが生まれるのかを考える技術です。

絵画でも同じで、主題の位置や視線の流れ、つまり、リーディングラインや空間のバランスを意識すると、写真の表現力がグンと上がります

例えば、砂丘で撮った写真を比べたときに、主題となる人物がいる方が、自然と目がそこに引き寄せられますよね。写真には視線を誘導するラインがあるんです。ラインがしっかりある写真は、見る人の目を自然に誘導してくれるので、スッと内容が伝わる

でも、線が少ない写真は視線が迷ってしまい、ちょっと物足りない印象になりがちです。

技術的に優れた写真というのは、こうした視線の動きを計算して作られているもの。感覚だけに頼るのではなく、意図を持って構成することで、より完成度の高い一枚になるんですよね。

写真とコンテクスト〜価値を生む写真とは

写真の価値って、ただ綺麗な構図やバランスが整っているだけで決まるものではないんです。コンテクスト(文脈)が非常に大事なんですよ。

例えば、同じような水平線の写真でも、あるものは数千万円の価値がつくのに、別のものにはほとんど値段がつかないことがあります。その違いは何かというと、その写真が持つ背景やコンセプトの違い

たとえば、杉本博さんの作品は、美しさだけじゃなく、背景にあるストーリーやコンセプトがしっかりしているからこそ評価されているんです。写真を撮るときは、ただ「見たものを記録する」だけでなく、「なぜこの写真を撮るのか」「何を伝えたいのか」を考えると、より意味のある一枚になると思います。

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こちらもあわせて|自宅にいくつか「海景」を掛けている。「ますます良くなるね」. / HIROSHI SUGIMOTO 杉本博司撮影&制作 鈴木心

ピントと写真の表現

ピントをどこに合わせるかは、写真の表現においてすごく重要なポイントです。最近のスマートフォンには「ポートレートモード」なんかがあって、撮影後にピントを調整できるようになっていますよね。

でも、実はこれ、ピントをずらしているわけじゃなくて、ボケ具合を人工的に調整しているだけなんです。

昔、Lytro(ライトロ)というカメラや、パナソニックのピント移動機能が話題になりましたが、結局あまり普及しませんでした。なぜかというと、プロの写真家は撮影の時点でピントをしっかり決めているから。撮影後にピントを変えられる機能って、あまり必要とされなかったんですよね。

AIとオートフォーカスの進化

今後、AIが進化すると、「撮影者がどこにピントを合わせたいのか」を学習し、自動で最適なピントを調整するカメラが登場するかもしれません。でも、だからといって、自分でピントを合わせる面白さがなくなるわけではないですよね。
ピントを自分で合わせることで、自分の意図を写真に込めることができる。それが、写真を撮る上での大きな楽しみの一つなんです。

生と死、そして写真の役割

死の概念と写真

死とは、単なる終わりではなく、記憶として残ることで新たな形で生き続けるのではないかという考え方があります。写真を撮ることは、まさにこの記憶を残す行為そのものです。

例えば、僕の母は「いつ死んでも後悔しないように生きる」と言っていました。この言葉は、日々を大切にすることの重要性を示しています。

写真も同じで、撮ったその瞬間が未来の誰かの記憶となり、意味を持つのです。

量子力学と死の概念

最近、量子力学の研究が進み、意識は消えないのではないか?という考え方が出てきています。

人間の脳の伝達物質も量子レベルでのやり取りをしていると言われており、量子の性質上、それが別の場所でも影響を及ぼしている可能性があるんです。

つまり、死んでも意識の情報がどこかに保存され続けるかもしれない、という仮説です。

もしそうだとしたら、「死」というのは物理的な終わりではなく、別の形で存在が続いていくことになるかもしれません。写真を残すという行為も、ある意味で、自分の情報を未来に伝えることなのではないでしょうか。

鈴木心YouTube メンバーシップ限定動画|【ラジオ】人は、死んだらどうなるのか。死生観について、より。

(写真と文:鈴木 心)


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(編集:しまづこうたろう)

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